音楽の力

偶然か、奇跡か、これが音楽の力なのか、鳥肌の立つような出来事がありました。

モーションブルーのライブで「a-light-of-life」を演奏する前に少しお話をしました。この日のライブを本当に心待ちに楽しみにしていたのだけど、重大な病気が発覚して来れなくなってしまった人がいます、と。この曲は、以前「祈り」のような気持ちを込めて作った特別な曲。だから今回、この曲をやりたいと思いました、とそんな感じことを。

僕自身、この曲を本当に心の中からの叫びにも似た祈りを込めて、涙をこらえるのが必死なくらいの精神状態で久々に演奏することが出来ました。演奏が終わってから、満員の会場が数秒間にもわたり、物音一つしない静寂が訪れたのは、会場にいた方は知ってると思います。あれは何だかとても特別な時間でしたね(みんな「引いてしまった」かと一瞬ちょっと心配にもなったのですが(笑))。

そのお話の人が、1ヶ月以上もの意識が半分無い状態から、あの日、目を覚ましたです!!!!しかも時刻的に、その「a-light-of-life」を演奏してるくらいの時間じゃないかと…。

ちょっと鳥肌立ちました。

本人から許可も得たので、少し書こうと思います。

当初、治療が上手く調整出来れば会場に来ることが出来るかもしれない、とのことだったので、それこそ「生きる」というモチベーションとして、その日を待ち望んでいたました。

しかし、その病気にとって一番怖い副作用である「肺炎」を併発してしまい、しかもそれが重症となりICU(集中治療室)に入って人工呼吸器で酸素を送り込むほどになってしまいました。それでもなお、もうろうとしてる意識の中、モーションブルーに行くんだ、と意気込んでいましたが…。

ICUに入ってからは、非常に強い薬を投与されていたので半分意識の無い状態がずっと続いてました。ICUに入ったのが1月末。それからずっと人口呼吸器状態。肺は自らは機能出来ないような、命も危険な状態が続いていたのです。僕は家族同様の扱いという許可をいただいているので、一部始終を見てきているのですが、状態を直視して正直、覚悟した時もありました。

あの日、 開演直前に携帯をチェックしたら、その人のお母様からメールが入っていて「人工呼吸器が外せました!自力で呼吸してます!」と。実は開演前にそのような連絡を頂き、ちょっと感動で泣きそうでした。あれだけ楽しみにしていた(楽しみという言葉を超えてると思いますが)ライブが始まる直前に人工呼吸器を外せて、「祈り」を込めて演奏した「a-light-of-life」あたりで意識が戻り、目を覚ました。

ICUに担ぎ込まれたのは1月27日。それからの記憶は一切無いらしい…。もしかしたら、モーションブルーのライブの時間を一緒に「過ごす」という以前の強い意志がそうさしたのかもしれない、と思うと、どうにも魂が揺さぶられます。

普段、神秘的なことに全く縁の無い僕なので(笑)、「偶然に時間が重なった」と言えばそれだけのことかもしれませんが、「音楽の力」「みんなの祈り」がそうさせた、と考えるとテンション上がるから、 そう考えた方がお得だわ(笑)

モーションブルーのスタッフの方が「録音をしたので、渡してあげて下さい」とCD-Rをくれました。感動…。 全然そんな注文をしていなかったのに…。カメラマンの友達も忙しい中、当日ビデオ撮影してくれて、渡すためにDVDにしてくれると…。

何か大きな想い、力が、僕の回りで動いている気がします。

そのCD-Rを本人に渡しましたが、ずっ〜と聴いていて「緊張して、どこで間違えるか分かるまで覚えました」と(笑)。そういう余計な感覚まで復活しなくてよろしい(笑)

「音楽には力がある」と信じます。ずっと。僕はミュージシャンという生き方に誇りを感じました。どうもありがとう。

    音楽の力” に対して9件のコメントがあります。

    1. bunji より:

      音楽、そして祈る気持ちには素晴らしい力があると思います。
      決して神秘主義ではなく「思い」が伝わる、
      「思い」がその人を生かすのだと思います。
      あの寒い日、僕にとっても友人の彼の人は、
      一緒にライブを聴いていたんだと思います。

      小畑さんと一緒によくやられているボサノヴァ歌手の方も、
      最近末期がんでホスピスにいらっしゃる知り合いの方のために、
      還暦祝いと一緒の出前ライブをやったそうです。
      歌を聴いた後、還暦祝いに渡した真っ赤なTシャツを見て、
      「こんなおしゃれなTシャツもろたら、また目的が出来た!
      夏まで頑張って生きて、これ着て、もう一回海に行くわ!」
      とおっしゃられていたそうで、
      そんな音楽や祈りが力となり、人々を幸せにするのだと思います。

      光栄さんの音楽、そして生き様は、
      これから先も多くの人に幸せをもたらしてくれると信じています。
      あの会場に来れた人も、来れなかった人も、
      これから出会う人々も、みんな光栄さんの音楽で幸せになれますよ!
      がんばってください!
      応援し続けます!!!

    2. ^^) より:

      よかったですね~~!!! 本当に。。。
      そういうことってあるんですね。

      復活おめでとうございます~!!!!!
      よくがんばってくれました‥。さすがです。

      完全復活、待ってますので。
      これからも、祈ってます。
      またご一緒しましょう!

    3. koei より:

      bunjiさん

      えらい大役を任されたな〜(笑)
      でも自分が真に影響を受けてきたミュージシャンは、いずれにしても良い音を奏でると同じ位に、僕の中を大きく揺さぶる何かをくれた人達だと思うと、ある意味、自分も真のミュージシャンに近づいているのかもしれない。と解釈したら、なんか盛り上がってお酒が旨いから、そう思うことにする(笑)

      ^^) さん

      ホント良かったですよね〜。
      またみんなでハーモニカ吹くしかないでしょ♪♪
      「祈り」というのを「愛」という言葉に置き換えても良いかもしれませんね。あの人はホントみんなに愛されているんだなぁと思うのです。
      もちろんこれで病気の戦いが終わったわけではないので、引き続きみんなで愛のビームを送りましょうねーー

    4. Katsuya より:

      まさに、音楽の力ですね。光栄さんの力かも。

    5. koei より:

      Katsuyaさんの力も入ってると思いますよ〜〜〜。

    6. マサル@名古屋 より:

      実は僕も「音楽には魔法の力がある」と、
      最近とみに思っていたところだったので
      すごく嬉しくなるブログでした♪ ありがとう♪

      いいバイブレーションを発し続けて下さい♪ 

    7. koei より:

      マサルさん

      我々こそ、その「魔法」にかかっているんですもね!ある意味(笑)
      自分に何が出来るのか、自分は何者なのかはわかりませんが「自分はそういう人間では無いから…」みたいな発想は止めようと、最近とみに思います。「自分もそういうことが出来るかも」と思った方が、ご飯もお酒も美味しいし、ね(笑)

    8. Taka より:

       こんにちは。こちらでは、はじめましてですね。

       毎回ライヴを楽しませてもらっています。自由が丘で初めて観させてもらってから高円寺、中目黒とさまざまな場所で田中光栄バンドの演奏を聴き毎回、生活の中の「風通し」を良くさせてもらってます。まさしく「音楽の力」でね。

       音楽の力。

       昨年亡くなった母の病室に小さいCDプレイヤーを届けた事を思い出しました。家族4人で病室で落語のCDをかけ、楽しく時間を過ごしたものです。別の日に訊ねた時、父と母は越路吹雪のDVDを二人で観てとても嬉しそうに昔を懐かしんでいました。

       母を亡くした後、暫くして父は部屋にコンポを買いクラシックやスタンダード・ジャズを聴く様になりました。「空の音色」をかけてやったらじっくり嬉しそうに聴きこんでましたよ。

       入院されているご友人のお話は中目黒の打ち上げに僕も混ぜてもらった時に教えていただきましたね。本当に力強いお二人の「縁」を感じます。素晴らしい。

       モーションブルーの演奏はまた新しい展開が有り、本当に堪能させてもらいました。連れていった友人はこれから毎回いっしょに田中光栄バンドを観に行く事になりそうです。いつか父もいっしょに連れていきたいなぁ。

       初めてのコメントなのに長文、失礼しました。

       次の演奏も期待してますよ!
       

    9. koei より:

      Takaさん

      コメントどうもです〜〜〜。そしていつもライブに来てくれて有難う。
      そうですか、そんなことがあったんですね。。。
      音楽は良い「場」を作ってくれますよね。思い出の横にはいつも音楽があるものです。是非そのうちお父さんも連れてきて下さいませ〜〜。

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